ピアノ演奏で最も難しい技術の一つに「三度の重音」があります。
どういうものかというと、例えば、
レ、ファを人差し指と薬指で同時に弾きます。
そして、次に、
ミ、ソを中指と小指で同時に弾きます。
これを交互に超高速で弾くということです。
単純な動きなのですが、普通の人には弾けません。
その、「三度の重音」の練習曲がショパンのエチュードの中に
あります。
この曲は、1955年にアシュケナージがショパンコンクールで
2位だったときの一次予選で弾き、審査員をアッと言わせた曲です。
そのときの音源が手元にありますが、何度聴いても背筋がぞっとするくらい
ありえないスピードでサラッと弾いています。
なのに、2位。
このときの審査員である、巨匠ミケランジェリは
「アシュケナージが1位じゃなければ、俺は降りる」と言ったそうです。
結果、2位だったわけですがその後の活躍振りは言うまでもないでしょう。
ちなみに、1位はアダム・ハラシェビッチというピアニストです。
中学生の頃、群馬のファミリーブックで買った、「ショパン名曲集」が
ハラシェビッチでした。
ですので、私の中ではショパンの有名な曲はハラシェビッチ氏の演奏が
模範演奏になっているかもしれません。
特に、木枯らしのエチュードのすばらしい演奏が印象に残っています。
ショパンのエチュードは全て超難曲ですが、このOp25-6は
難曲中の難曲と言われているものです。
ショパン エチュード 作品25 6番 嬰ト短調
Chopin Etude Op25-6 gis-moll