今日のテーマは「通る声を出す方法~3000Hzの強め方」です。前回、人間の聴覚の特性として3000Hz付近がよく聴こえるメカニズムについてお話しました。3000Hz付近は耳の蝸牛が共鳴しやすいからなのですが、実際に共鳴する声を出すためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。○○○Hzの声を出すというのは実際にはできないわけですが、正しい共鳴発声法を身に付ければ結果的に人間の聴覚に届きやすい声が出ていることになります。今回は、実際に届く声を体で身につけてもらえるようなトレーニング法をご紹介します。
共鳴や倍音に話をするには「フォルマント」について触れることになります。フォルマントとは、声に含まれる周波数成分の分布において特に集まっている部分のことです。基音の上にはさまざまな倍音が乗っていますが、すべての周波数に均等に分布しているわけではありません。特に濃く集まっているところをフォルマントと呼び、このフォルマントが3000Hz付近に集まると「よく届く声」、「共鳴している声」に聴こえるのです。実際には細かい数値はあまり意味がありませんので、結果的に届く声が出せるように「共鳴感覚」を身につけていきましょう。
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